NBC長崎放送

2022/05/10/19:00

シンクながさきコラム「メタバースを九州の地域振興にどう生かすか」

毎週火曜日は、シンクながさき ながさき地域政策研究所の皆さんのコラムをお送りしています✨
5月10日は、理事長の菊森淳文さんにお話を伺いました💻

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今年3月に、ある学会で、私がメタバースについて研究発表させていただきました。
そのきっかけは、2025年の大阪万博では、遠隔地からでも夢洲の会場を回れるような「バーチャル会場」も開かれます。
いわば、島全体が内閣府が認めた「スーパーシテイ」となることが3月に決まりました。
バーチャル会場はパビリオンの混雑もなく、メタバース上で万博を楽しむことになります。

メタバースとはどんなものでしょうか?
まず、「仮想現実(AR)」という言葉があり、これは、「ユーザーが個別独立した空間で様々な体験を得る。」ものです。
例えば、軍艦島に行ってなくても、画像で軍艦島の立体映像の中に自分がいるかのように感じさせる映像技術です。
よく、ゴーグルや眼鏡をはめて、仮想現実の空間を感じるシーンが紹介されていますよね。
「メタバース」とは、多数のユーザーが仮想共有空間で同じ事象を体験できるものです。
これにより、複数の人が同じ体験ツアーに参加したり、複数の人がサッカーや野球など球技を仮想空間で
楽しむことができるようになります。

では次に、「メタバース」を地域振興にどう生かすのでしょうか?地域振興に活用できる分野は幾つもありますが、
特に親和性が強いのは、観光・物産分野だと思います。先ほどの大阪・関西万博の例にもありますように、
実際に夢洲に行けなくても、メタバース上で世界中の方々が仮想現実を体験できます。
高齢者や身障者など、混雑する場所や、秘境に行きたくてもいけない人は、メタバース上で世界旅行が出来ます。

観光をメタバース上で実施すると、長崎のようにリアルを楽しむ観光地にとっては、マイナスにならないかと、良く聞かれます。
その可能性は低いと思います。
むしろ、行きたい場所をあらかじめ疑似体験することで、修学旅行の事前学習にすることもできますし、
行きたい旅行先候補を調査して探し、満足度を高め観光客を増やすことにもなると思います。
特に、新興国は、アフターコロナになれば、海外旅行者が急速に増えると思います。
また、メタバース上の観光であっても、旅行代金や入場料を取ることもできます。

物産販売も可能で、現在でもメタバース上の店舗でNIKEのスポーツシューズを売って代金決済まで行っています。
メタバース上のショッピングモールで、長崎の水産加工品や佐賀有田焼きなどを販売することになります。
ショップのテナント料を払ったり、店舗自体の不動産売買もメタバース上で可能となります。

教育分野はメタバースと親和性が高く、アメリカではハーバード大学・スタンフォード大学で
遠隔地講義プログラムとして活用されています。
日本では公教育は難しく、課外授業や社会教育に使われる可能性が高いと思います。

一方、メタバースを進める際の課題としては、システムセキュリテイの問題、個人情報保護の問題など、
ICT・DX化を進める際に避けられないことがあります。
ただ、これらは国や規制団体で、ルール作りをすることで解決できると思います。

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メタバースでの観光、してみたいですね👀

来週もお楽しみに😊

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